精神障害者の
「就労支援」と「定着支援」。
支援があれば働ける!

新着情報

「働き続ける」を支援するJSNの事業

就労移行支援:働き続ける力をつける

精神障害者に特化した就労支援施設

精神障害は周りの人から「見えない」障害。体調に波があるため、病名からだけではわからない個々の生きづらさがあります。
JSNは一人ひとりのサポートを丁寧に行うことを心がけ、精神障害者に特化した施設運営を行っています。

就職者数300名以上

JSNでトレーニングを受けた方の約90%(事業所平均)が、就職をされています。
70%の方が同じ職場で働き続けています。
就労後の手厚いサポートにも定評があり、「人生を応援する」ことをモットーに支援を続けています。

出前講座:医療機関との連携

平成19年度から医療機関に向けて出前講座を始めました。現在までに述べ医療機関50ヶ所、支援機関8ヶ所で実施しました。H26年度は近畿圏をでて、仙台、名古屋、滋賀、福岡にて1週間連続の講座を開催しました。1機関あたり1回2~3時間の講座を3~5回で実施。内容は座学とSSTの組合せを基本に、受け入れ機関からの希望や課題を聞きながら、「働くとは?」「就労ピラミッド」「オープン・クローズ」「企業から求められる人材とは?」「就職者の話」「社会資源について」「企業からの話」「なんでも相談」「会社見学」など。SSTは就労をイメージして「報告・連絡・相談をする」「上手に断る」「休みの連絡を入れる」などを実施してきました。参加者は述べ700人を超しています。

受け入れ機関スタッフから“利用者が最後まで出席出来るだろうか?”といった不安の声を毎回お聞きしていました。しかし実際に始めてみると参加者の目の色が変わるのです。講座終了後には受け入れ機関のスタッフより“Aさんが最後まで参加できると思わなかった”“Bさんに働きたい気持ちがそれほど強いと思わなかった”また、参加者の受講後の行動にも多くの変化があり、ハローワークへの登録、就労移行支援事業所の利用、就職した人もいると報告がありました。私たちにとっても実施して良かったと思う瞬間であります。出前講座の必須項目である「就職者の話」では、JSNの卒業生に「語り部」として“就職するまでのこと”“就職してからの変化”“これからの夢”などを語ってもらいます。参加者の方からは『勇気が出た』『自分にも出来るかも』『昔を思い出した』などそれぞれ感じる部分が大きいようです。JSNの卒業生にはかなりの緊張がありますが、今までのことを振り返る良いきっかけになり、また人前で話すことで一段と自信をつける効果があります。

今後の出前講座は近畿圏だけではなく全国からの依頼があれば出かけて行き、参加者のやる気スイッチを押し、就労に一歩近づくきっかけ作りになるように講座の質を上げたいと考えています。

SPIS:不調の波を可視化するシステム

SPIS(Supporting People to Improve Stability;就労定着支援システム)はWebシステムを活用した就労定着のための支援ツールです。

精神障害、発達障害のある方の就労支援を行う際の、最大の課題とされている「職場への定着」を改善していくための新しい手法の一つとして期待されています。

SPISは日々の体調や対人面、業務面に関する項目を入力し、そのデータの傾向から当事者自身が体調の波や、障害特性について「見える化」を可能にします。日々、Web上でのコメントをSPIS相談員が確認し、やりとりすることで、当事者の自己表現を促し、口頭では表現しにくい思いなどを言語化していくことを目的としています。蓄積されたデータを支援機関、企業、本人と共有することで、本人の自己管理能力が高まり、各支援機関との連携や企業の雇用管理理念の理解が深まったりすることが効果として確認されています。

SPIS事業は全国精神障害者就労支援事業所連合会が助成金事業を通じて先行して行い、全国10数社での導入実績を踏まえ、平成26年度から大阪府からの委託事業を通じて大阪府内でも展開し、現在60件程(全国での累計は100件程)の導入実績を上げています。

導入した当事者の方からは、特に「見守ってもらえる安心感がある」、当事者だけでなく企業の担当者からは「日々の体調が見える化されて、特性理解につながった」といった声があがっています。産業メンタルヘルスでよく重要さがいわれるように、セルフケア、ラインケア、専門スタッフによるケアのコンパクトなシステムといえます。

ジョブコーチ支援:働き続けるための支援

JSNの就労支援は「基礎訓練部門」と「就労定着部門」の二つの部門に分かれています。前者は各事業所の職員が担当し、1年~1年半かけて就労に向けてトレーニングを行います。一定の訓練期間を経て就職活動に入りますが、ここからはジョブコーチが担当する「就労定着部門」で就職活動→就職→定着へと支援を継続します。現在の制度では、就労移行支援事業所が就職までの支援を担当し、その後は「就業・生活支援センター」に引き継ぐという流れになっていますが、JSNは発足当時から、訓練~訓練後の定着支援を含めすべての支援を行っていくことにしています。必要に応じて就業・生活支援センターと連携しながら進めていくこともありますが、基本的には「就職そして定着」までの支援を行うのがJSNスタイルのジョブコーチです。

今後は、就労の成功事例や失敗事例を分析し働き続けるポイントや企業の声を、各就労移行支援事業所にフィードバックし、スタッフのスキルアップのための情報提供体制を構築していきます。また、地域の医療機関を含めた関係者との連携を重視し、生活支援機関や企業に対しては、働き続けるための雇用管理能力を高める提案力の向上に重点を置いていきます。

学生支援:大学の相談室と連携

学生支援事業は発達障害のある大学生・専門学校生を対象としたプログラムです。近年、大学や専門学校において発達障害のある学生の支援は徐々に広がりを見せています。しかし、卒業後を見据えた就労支援についてはまだまだ課題が山積しています。本事業では、今までのJSNの支援実績を生かして、大学や専門学校の支援窓口と連携しながら、在学中から就労に向けたプログラムを提供します。

具体的なプログラム内容は、①企業実習と②就労準備講座です。①企業実習は、希望職種に応じた企業で実習を行います。学生の状態に応じて、企業から配慮を受けることができます。実習前の見学から、実習中の巡回による支援、そして実習の時間や作業環境などの後には企業担当者と一緒に振り返りを行い、今後の課題について整理していきます。②就労準備講座は、就労に向けて必要なビジネスマナーや面接の受け方、履歴書の書き方、自分の得意・不得意の整理、会社見学、ハローワークの使い方を学ぶなどを行います。様々なニーズに合わせるため①企業実習と②就労準備講座を組み合わせた年間のプログラムとして受講することも可能です。

昨年度は、①企業実習に11名(4大学・1専門学校)、②就労準備講座に11名(2大学)の方にご活用いただきました。今までアルバイト経験もなかったり、卒業までに企業で働くことを体験してみたいという学生にとって、とても有意義なものになりました。

また今年度から新しく、学生同士が就職活動の悩みを自由に話し合える場も月1~2回金曜日の夕方開設しています。こちらは、いつでも参加が自由で、安心して自分の事を話せる空間を目指しています。

学生が本プログラムを受講することで、在学中から一歩踏み出して、将来の“働く”を具体的に考えるきっかけになればと考えています。その結果、学生自身の可能性を広げていけるようサポートしていきます。

リワーク支援:職場復帰のサポート

JSNでは、リワーク事業の立ち上げに向け2013年度からプロジェクトを始動しました。

精神障害のある方の雇用問題と同様にリワーク支援の必要性は高く、休職した本人、家族はどの様にしたら職場復帰ができるか相談ができる場所もなく悩み、企業、医療機関も大きな課題としてとらえられる様になりました。近年の労働情勢の背景を踏まえ、JSNは障害者就労支援で培った就労支援のノウハウを、病気や外傷により休職、離職をされた方々の復職支援に役立てる事を考えました。

現状調査の結果、リワーク支援の現状は医療機関を中心に行われており、認知行動療法など有効性のあるプログラムは実施されているが、プログラムに企業現場の中での訓練がない事、復職後のフォローが少ない事などが見えてきました。そこでJSNが得意としている、訓練時の企業実習と雇用後の定着支援を取り入れたリワーク支援の検討を続けて来ました。2年間の検討結果、JSNのリワークプログラムは3つの柱『企業実習・復職後の定着支援(企業支援、本人支援)・SPISの活用』を中心に、休職経過の振り返り個別に組み合わせて(グループワークやSSTの実施)実務訓練、企業実習、スポーツプログラムなどを実施していく事になりました。2016年度に入り、相談件数も増えています。JSNは障害者、健常者を分けることなく、すべての人たちが働きやすいと感じることが出来る環境とはどの様な物なのかを考えながら、活動をしていきたいと思っています。

SysCo:企業との連携

SysCoとは、障害者雇用を検討されている企業、障害者をすでに雇用されている企業を対象としたサービスです。障害者雇用における社内の受け入れ体制を整え、障害者雇用がスムーズに進むよう助言、提案を行います。

具体的には、ヒアリングを行い、障害者雇用の動機、目的を共有させて頂きます。その上で各企業の企業内の担当者の各位に障害者雇用のビジョンを明確にし、それに沿った雇用ができるよう受け入れ体制を構築していきます。

まず、業務内容の整理です。どのような業務があるのか把握し、業務の全体像を把握させて頂きます。スタッフが先に見学、体験させて頂く事で、業務の具体性を把握し、障害をお持ちの方が実務に入る際に配慮する点をお伝えする事が可能になり、双方安心して業務に取り組めるようになります。

次に環境作りです。業務においてはマニュアルの作成。職業生活を継続させる為の効果的な日誌の作成や、障害者さんの状態を把握するために面談の場を作り、お互いに言いにくいことはスタッフが間に入り調整することもあります。このような形で環境面を整える事にも注力しています。

また、障害に対する理解促進に向けた社内研修講座なども必要に応じて実施します。

受け入れ体制の構築とほぼ同時進行で、実際の雇用に向けた準備も行います。面接を経て即雇用という形式もございますが、SysCoでは、本雇用の前に実際の業務を体験実習という形で経験してからの雇用をお勧めしています。体験実習を行う事で、企業側も障害をお持ちの方もお互いに適応できるのか見極め、双方にとって判断材料を増やし、より精度の高いマッチングを目指しています。

SysCoでは、企業で働く皆様をサポートさせて頂く事で、誰もが長く働き続けられる会社創りに貢献したいと考えています。